白石温麺の魅力探訪

蔵王山麓の城下町
「温麺」の由来

「温麺」の由来

温麺の発祥は藩政・元禄時代にさかのぼります。
この地に暮らす鈴木味右衛門が胃病を患った父親のために、旅の僧から教わった油を使わない麺の製法を苦心の末会得して食べさせたところ、病が回復。
この孝行話が、時の領主・片倉小十郎に伝わり、親への温情の心を讃えられて、「温麺(うーめん)」の称を得たと伝えられています。

からだに優しく、食べやすい「9センチ」

からだに優しく、食べやすい「9センチ」

温麺は表面の乾燥を防ぐための油を使わず、小麦粉と水と塩だけでつくります。
油を使わないので胃に優しく、上品な味わいで、藩主伊達家から大名や公家への贈答にも用いられました。
9センチという長さになったのは、殿様に献上する際、馬の背に積んでも折れにくいためではないか、などと伝えられています。
子どもでもつるっと食べやすく、コシのある舌触りとのどごし滑らかな食感も、この独特の長さから生まれます。

温麺本来の味を求めて、手延べ復活

温麺本来の味を求めて、手延べ復活

麺本来の風味を求めて、昭和60年、白石で途絶えた「足踏み手延べ」の製法を復活させました。以来、伝承の製法に独自の工夫をかさねて、多くの味わい深い高級麺をつくり続けています。
「最適の材料を使い、ていねいな仕事を心がける」
技術だけてはない、思いをこめた麺づくりを通して、多くの方々に笑顔と喜びをお届けできれば幸いです。

親しまれてきた伝統の名前「はたけなか」

親しまれてきた伝統の名前「はたけなか」

初代佐藤善六が手延温麺の製造を始めたのは明治23年のこと。当時、辺りは一面の畑だったことから、「畑の中=はたけなか」と呼ばれていました。長く親しまれたその呼び名には、麺づくりにかけた初代の思いも込められています。
麺一筋に商いを続けてきた「はたけなか」。
伝統の名を受け継ぎ、心をこめて変わらぬ味わいを守り続けています。